先日、『電子ピアノで練習している生徒さんのための、指導セミナー』に参加してきました。
お教室に通ってくださっている生徒さんの約半数は電子ピアノを所有しておられます。
昨今の住宅事情などを考えると、とても魅力的な楽器です。
生徒さんたちに密接な『電子ピアノ』。
電子ピアノで練習している生徒さんを上達させてあげたいけれど、私はそれについて詳しいことを知らない現状がありました。
指導者である私が電子ピアノとアコースティックピアノの根本的な違いをよく知り、電子ピアノの長所・短所を理解したうえでのアドバイスをしていくことが必要です。
講座に参加なさった先生方がお困りになっていらっしゃる、電子ピアノで練習している生徒さんの特徴とその理由をいくつか挙げてみます。
・手の形が直らない→電子ピアノでは指を正しい形にしても、平らに寝かせたままでも同じ音が鳴るため、正しい形で弾くことの重要性を実感できない。
・左手パートがやたらと大きい→電子ピアノは自動的に伴奏を小さくする機能があるため、自分で調節する必要がない。そのためコントロールすることが身につかない。
・強弱や曲想の幅が狭い→電子ピアノの出せる音色は限られている。
・スタッカートがぼやけてしまう→電子ピアノは音の戻りが遅いため。
・ペダリングがうまくいかず、濁ってしまう。→電子ピアノはペダルをどう踏んでも濁らないため、アコースティックピアノのペダルの感覚をつかむ事ができない。
・聴音ができるようにならない→聴音をする際、生徒さんたちは知らず知らずのうちに倍音を聴いているのだが、電子ピアノは倍音が鳴らない。
「どうして教えたことが身につかないんだろう?」
「耳で自分の音を聴いたらわかるはずなのに」
などと私が生徒さんに対して漠然と思っていた疑問。
生徒さんに原因があるわけではなく、電子ピアノに出来ないことを私が求めていた、ということを痛感しました。
生徒さんもお家で練習する際に、「レッスンで先生から言われたことができない」とジレンマがあったかもしれません。
小学校くらいになればそれに気づき、直接私に話すことが出来てきますが、小さな生徒さんはそれに気づいたり、伝えたりすることはなかなか出来ませんよね。
こちらの充分な配慮、違いを知った上での指導が必要になってきます。
今回の講座をきっかけに、生徒さんのご自宅のピアノの状態、練習の状況をもっと把握することが大切なのではないかと感じました。
レッスンでアドバイスをしたことに対し、お家のピアノでいくら練習してもそれが出来なかったりする場合がありますので、お母様方もお気づきの点がございましたら、どうぞご連絡くださいませ。
私も生徒さんの日々の練習の実態を知った上でレッスンをし、生徒さんそれぞれに合った指導法を考えていくようにしたいと思っています。
ご協力をお願いいたします。
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