ピアノを習うこどもたちのほとんどがこの教材を使ってテクニックの習得に励みます。
私も小学生の頃に取り組みました。
しかし、チェルニーと言えば・・・『退屈な指の練習』という印象が。
当時、この曲集を何の楽しいイメージを持つこともなく淡々と練習していた記憶があります。
そんなチェルニーに革命が!
今日は、根津栄子先生の『チェルニー30番 30の小さな物語』の楽譜出版記念セミナーに行ってきました。
表紙を見ただけでとても楽しそうな曲集であることが伝わってきますね。
夢がいっぱい詰め込まれて、ウキウキワクワクするような感覚を覚えます。
中を開いてみても、一つ一つの曲に題名と挿絵がつけられ、イメージがグーンと広がります。
題名に関しては、なんと、根津先生の生徒さんたちが付けられたそうです!
例えば、「リスさんの木の実ひろい」「やまめのおいかけっこ」「ピエロのおてだま」など、可愛くておもしろい。
「やまめの追いかけっこ」は、釣り好きのお父さんに連れられて川に行った生徒さんがみたやまめ。
これが泳いでいるイメージが曲から沸いてきたということです。
「リスさんの木の実ひろい」は、この曲を聴いてみるとわかると思いますが、かたい木の実をコツッコツッとしているイメージなんですね。
実際に生徒さんが考えたというだけあって、日常にある身近なものからイメージを膨らませることができるので、大変魅力的です。
さらに、一つ一つの曲に対する目的・目標(例:指の独立、連打など)が書かれていたり、こどもたちにも読みやすい解説がついていたり、オーケストラの音をイメージしながら弾けるようにと、巻末にその楽器の紹介がされていたり。
単調になりがちなチェルニーの練習曲をあらゆる角度からアプローチし、豊かなイメージを持って弾けるように工夫がなされています。
これは抜粋でいくつかの曲のみですが、「アナリーゼ(楽曲分析)をしてみよう」というページもあり、こどもたちがより楽譜に書かれていることを深く考える、という作業がここでできるようになっています。
この曲集のもう一つのポイントは、チェルニーを弾くために必要な基礎的な指づくりやストレッチ、スケール、アルペジオ、アルベルティバス、ハーモニーや和声、脱力の練習法が具体的に写真や図を使って紹介されているという点です。
セミナーでは曲集には書かれていない、根津先生こだわりのテクニック習得法もご伝授いただき、先生の日々なさっているレッスンが基礎に徹底的こだわっていて、また、それがとても重要であること、先生の指導に対する熱意がものすごく伝わってきました。
私も自分の生徒さんに使えそうなことは早速実践してみます。
ボールを使ったリズム練習や指をグーパーグーパー開いて瞬発力を鍛えるトレーニングなど、生徒さんたちきっと楽しみながら試してくれると思います。
「こどもたちに楽しくピアノを学んで欲しい」という根津先生の想いがたくさん詰まっているこの曲集。
従来のチェルニー、「退屈な指練習」と同じ曲集とは思えません!
私の小学生時代にもこんなチェルニーがあったらもっと楽しく練習できたなぁ。
今のこどもたちがうらやましい!
私もこの曲集使ってチェルニーやり直してみます。笑。
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