こんにちは。
木幡平尾のピアノ教室です。
今年は桜の開花がちょうど入学式のころになりました。
ご進級、ご入学、おめでとうございます。
生徒さんたちから新しい環境での出来事をお聞きし、ワクワクとドキドキが入り混じったご様子、とても微笑ましく思っております。
教室ではサマーコンサートの準備に取り掛かっています。
保護者の皆様には先日、詳細をお送りいたしました。
本年度は7月半ばを予定しています。
(昨年のサマーコンサートの開催記録はこちらです)
今回もジャンルを問わず、お気に入りの曲を演奏していただく予定です。
さっそく、弾きたい曲を教えてくださる生徒さんたち。
自発的なご様子、とても嬉しく思っています。
毎度、年齢ごとにいくつかの部に分かれて開催しているのですが、前回、小さな生徒さんから「お姉さんお兄さんの演奏も聴きたい!」とご要望をいただきました。
今回、中高生の生徒さんが小学生以下の部にゲスト出演してくださることになりましたので楽しみにしていてください。
ご協力くださる中高生の生徒さんがた、ありがとうございます。
心のこもったコンサートになるよう、準備を進めてまいります。
さて、先日、中学生の生徒さんとそのお母さまより進路についてのご相談をお受けしました。
音楽の道へ進むことに興味があるけれど、何か情報があれば教えてほしい、といったような内容でした。
進学先の具体例、音楽の道に進むのならばどれくらい費用がかかるのか、また、音楽の仕事の将来性など、私見も入りましたがお伝えしました。
アドバイス差し上げるにあたって、私自身、いろいろと自分の過去を振り返る作業をしました。
今こうして自宅でピアノ教室をするに至るまでのあれこれ。
素晴らしい出会いや経験、周りの人たちの支えがあってこその恵まれた環境、不安に駆られたり理不尽だと感じたこと、行き詰まったときのこと、本当に様々な出来事や思いがありました。
その中から今回は「私がこどものころ通っていた『音楽大学付属音楽教室』で何を学んでいたか」についてお話ししたいと思います。
まず、付属音楽教室に入室する前に、4歳から小学4年生まではヤマハ音楽教室に通っていました。
はじめはエレクトーンを使ったグループレッスンだったのですが、1年生からはグループレッスンのほかにピアノ個人レッスンがありました。
その時の先生の先生が武蔵野音楽大学の教授でいらしたことがきっかけで、武蔵野音楽大学付属音楽教室に小学5年生より入室しました。
武蔵野音楽大学江古田キャンパス内での授業やレッスンです。
はじめのうちはピアノ個人レッスンはそのままヤマハ音楽教室の先生に習っていたので、付属音楽教室へは「ソルフェージュ科」として入室しました。
・ソルフェージュ
聴音やリズム、視唱などを学ぶ、「ソルフェージュ」。
入室した直後は聴音のやり方が全く分からず、周りの子たちはスラスラ書いているのに自分だけさっぱりできなくて、とてもショックだったを覚えています。
しかし、やり方、コツを一度つかむと、一気にできるようになり、その後聴音が大好きになりました。
(結局、ソルフェージュは大学に入ってからも自分の中で唯一自身の持てる得意科目となりました。)
・オルフ・メソッド
ソルフェージュのグループレッスンともう一つ、「オルフ・メソッド」が必須科目になっており、その授業も受けていました。
(オルフ・メソッドとは、ドイツの作曲家カール・オルフが提唱した、歌・ダンス・言葉などが一体となった音楽教育方法です。 )
打楽器をはじめとした様々な楽器を使って、皆でアンサンブルを楽しんだのを覚えています。
・チェロ グループレッスン
そして、副科で好きな楽器を習うことが出来るようになっていたため、「チェロのグループレッスン」を受けていました。
シューベルトの子守唄(ねーむれー ねーむれー はーはーのーむーねーにー♪)を一生懸命練習していました。
世界的に有名なチェリスト、ヨー・ヨー・マのCDを何度も聴いて、その音色に憧れていました。
・ピアノ個人レッスン
中学生になり、「ピアノ個人レッスン」も付属音楽教室で受けることになりました。
当時、担当のピアノの先生(母より少し年上の女性)のことが大好きで、先生にお手紙を書いて渡したりもしていました。
先生も私のことをとても大切にしてくださっているのが伝わってきていました。
年に一度、実技試験があり、そこで優秀だと年に二回ほどあるコンサートに出演することができます。
大学の立派なホールで弾きたくて、とにかく練習していました。
また、ヴァイオリンや管楽器、声楽の伴奏を経験させていただく機会もありました。
他の楽器とのアンサンブル。
ピアノ以外の楽器のことを知る大切な機会でした。
・声楽個人レッスン
ピアノ演奏に活きてくる、という助言のもと、「声楽のレッスン」も受けていました。
こちらも先生は発声法から何からみっちり教えてくださいました。
しかし、私はどうも声の質があまりよくないことを当時から自覚しており、歌声には自信が持てませんでした。
現在、日々のピアノレッスンで息づかいを指導するときに、この声楽のレッスンが大変役立っていることは確かです。
(ピアノを弾く際にも呼吸は本当に大事です。)
・合唱
声楽のレッスンとは別に、「合唱」の授業にも参加していました。
こちらも本当に素晴らしい、人生の中で出会えてよかったと思う先生(当時すでにお爺さまでした)に教わりました。
しかし、何せ歌声には自信がありませんでしたので、伴奏を積極的にさせてもらっていました。
大きなホールでの合唱発表の際にも伴奏を担当し、震えるほどの感動を覚えた経験があります。
日本の唱歌メドレー「ふるさとの四季」や「九州民謡によるコンポジション」、そして谷川俊太郎作詞の「春に」という名曲、先生が指揮を振っておられる姿が今でも脳裏に焼き付いています。
・オペラ公演
そしてもう一つ、忘れてはならないのが、付属音楽教室主催の「オペラ公演」への参加です。
モーツァルトの「魔笛」に、二度参加しました。
一度目は合唱団の一員として。
二度目は「僧侶ザラストロの弟子」として。
脇役とはいえ、夏の軽井沢での合宿に参加して練習を積んだり、衣装やメイクもばっちりして本番に挑みました。
こどもオペラ公演はこのとき、武蔵野音楽大学付属音楽教室の名物行事だったのですが、
調べましたところ、現在はなくなってしまったようです。
・楽典
大学受験が近づいてくる高校2年生あたりからは、入試科目におなっている「楽典」の授業も受けていました。
高校3年生の夏、同じ音楽教室に通う仲間と、武蔵野音大の仏子キャンパスに夏期講習を受けにいったころまではこうして付属音楽教室の学びに染まっていました。
結局この後いろいろとありまして、武蔵野音大ではなく、東京音大を受け、そちらに入学することになったのですが、付属音楽教室での学び、出会いはとても貴重で、かけがえのない経験をしたと思っています。
このような環境を与えてくれた両親、そして先生方には感謝しかありません。
音楽教室に通っていたころの日々の一つ一つが、今、ピアノ指導者としての日々に活かされているように感じます。
今回ご相談くださった生徒さんとお母さまともまた一緒に今後のことについて考えていきたいと思います。
私の経験の中に何かヒントがあればうれしく思います。