私が交流させていただいております音楽ライターの山本美芽先生が、
昭和音楽大学にて
「音楽教室を開くために必要なこと」~音楽講師になるための基本スキル~
とても興味深い講座だと感じましたのでご紹介させていただきます。
私は大学(昭和音大ではありませんが)を卒業して10年が経ち、
今となってはピアノ教室を自ら開業している身ですが、
学生時代や卒業当時は将来に明るいイメージを抱くことがまったくできませんでした。
当時は、音大は残念ながら就職支援に関してまだまだ不十分な状態でした。
「音楽大学は実技を学ぶ場」という認識が先生側にも生徒側にも大きく、
学生の卒業後を親身になって支援してくれたり、
情報を提供してもらえるような場はありませんでした。
就職課というものがあったものの、
そこではなぜか一般就職を勧めていて、
実技を指導する教授たちともあまり関わり、繋がりのない場でした。
その就職課の職員の方は、
「音楽講師になっても収入は少ないし、結婚もし損ねるし、いいことがない」
というお考えの方でした。
銀行や保険会社などに勤めて、
普通の会社員として仕事をしていくことを勧めておられました。
まだ人生経験の浅い私は、
今まで自分が一生懸命取り組んできた「音楽」が
社会では何の役にも立たない、
という思いに駆られ、失望したけれど、
社会に出て、自立して生きていきたいという思いもありましたから、
一般企業の説明会や面接試験にもたくさん出向きました。
しかし、一般企業での音大生のイメージは
「音楽しかわからないお嬢さん」
という雰囲気。
私だけではなく、
周りの子たちもほとんどはどこにも就職できない現実でした。
当時は本当にその現実に悲観的になっていましたが、
もし、その頃に今回の美芽先生が開講なさるような講座があったら、
今まで自分が取り組んできたことを生かして仕事をし、
社会と繋がっていこう、
と、もっと前向きになれたかもしれない、と思います。
今、実際に自宅でピアノ教室を主宰してみて思うのは、
音楽講師という仕事は本当に素晴らしい職業である、
ということです。
間近でたくさんの生徒さんの成長を見守ることができ、
生徒さんたちやそのお母様方とコミュニケーションを築く中で、
たくさんの気づき、発見があり、刺激をいただくことができます。
そして何より、音楽講師は、音楽を通して皆を幸せにすることができる。
これはとても素晴らしいことだと思いませんか。
今、音大で学ばれていらっしゃる学生さんにはぜひ、
今回の講座で音楽講師の魅力を感じていただき、
いろんな学びの場やサポートの場があること、
音楽だけでなくて様々なスキルが必要であること、
などたくさんのことを知っていただけたら、と思います。
私はピアノ指導者になって、
こうして地域の皆様と関わっていくことのできている今、
とても充実した日々を送ることができていますよ。